みなさまは『株式会社マジルミエ』というマンガをご存じでしょうか。
出典:株式会社マジルミエ
『株式会社マジルミエ』は、原作を岩田雪花先生が、作画を青木裕先生がそれぞれ担当するファンタジーアクションマンガです。
今回はそんな『株式会社マジルミエ』の魅力・感想を紹介します!!
基本情報
作品名:株式会社マジルミエ
作者:原作-岩田雪花 作画-青木裕
ジャンル:アクション
掲載アプリ:ジャンプ+
巻数:既刊二巻
あらすじ:“魔法少女”――それは、誰もが憧れる「職業」である。就職活動に苦戦する女子大生・桜木カナ。面接先で怪異に巻き込まれたカナは、駆けつけた魔法少女・越谷を手助けしたことをきっかけに、ベンチャー企業『株式会社マジルミエ』に魔法少女として新卒入社することになり…!? お仕事×魔法少女アクション、スタート!!
出典:ジャンプ公式サイト
登場人物
桜木カナ
出典:株式会社マジルミエ
本作の主人公兼ヒロイン
就活中、ひょんなことから魔法少女派遣会社「マジルミエ」に就職することになる
常人離れした記憶力と、それを遺憾なく発揮できる応用力、頭の回転の速さを持つ
越谷仁美
出典:株式会社マジルミエ
「マジルミエ」所属の魔法少女
大雑把な性格で、魔法少女らしからぬ立ち振る舞いをすることもしばしば
頭脳派のカナとは真逆の感覚派
重本
出典:株式会社マジルミエ
「マジルミエ」の社長
なぜか常に魔法少女のコスプレをしている
魔法少女絶対主義で、自社社員を第一に考えている
翠川
出典:株式会社マジルミエ
「マジルミエ」の営業及びオペレーター
営業職らしい人当たりのいい青年
二子山和夫
出典:株式会社マジルミエ
「マジルミエ」のエンジニア
エンジニアとしての技術はピカイチで、大企業のエンジニアにも比肩する
初対面の人と話すのが大の苦手
魅力1:社員がいい人過ぎる
出典:株式会社マジルミエ
この作品の舞台となる「株式会社マジルミエ」は魔法少女派遣業を行うベンチャー企業です。この会社は誰でも考えるような理想的な超ホワイト企業なのですが、この根底には社長の考え方があります。
上述したように、社長は魔法少女絶対主義ないしは社員絶対主義で、会社の利益や効率よりも社員のしたいことや、自分及び会社の美学を優先する、「THE理想の上司」です。
また、社長は「人の評価が上手い」人物でもあり、本当に褒め上手です。その人の客観的評価をしてから何ができるかを自分に考えさせる、という育成方法をとっています。
真正面から人を褒める、というのは非常に難しいことで、部下をよく見ていることが分かりますね。
また、その人が間違った道に進もうとしていた場合は、頭ごなしに否定するのではなく、その人の意見を聞いて咀嚼した上で自分の意見を話す、というこれまた理想の上司像にあった考え方をしています。
また、社長は部下の意見を積極的に取り入れる人物でもあり、実際、上記画像のように新入社員のカナの無茶ぶりを当然のように受け入れています。
コメント欄では、上司を交換してほしい人続出でした。
真正面から褒められるのってめちゃくちゃ嬉しいですもんね。(笑)
もちろん、良い人は社長だけではありませんよ。
カナの先輩魔法少女である越谷は後輩の案を積極的に採用するタイプで、面倒見も良く、こちらも理想の先輩と言える人物です。また、エンジニアの二子山や営業の翠川も現場で戦う魔法少女を第一に考える人物でありです。
このように周りにいい人しかおらず、環境が超ホワイトなため、読者もクリーンな気持ちで読むことが出来ます。
誰もが思う理想の会社像を作品化したのが、このマンガと言っても過言ではないと思います。
魅力2:魔法少女ものの新しい形を開拓した
出典:株式会社マジルミエ
「魔法少女もの」のマンガやアニメといえば、どのようなものでしょう?
プリキュアシリーズや、魔法少女まどか☆マギカ、セーラームーンとかですかね?
どのようなものでも、「不思議な存在に出会って、力を授けられ、目的のために戦う」というのが大まかなストーリーになっていると思います。
一方、本作では大まかな魔法少女ものの流れは踏襲しつつ、「魔法少女が世間に職業として認知されている」という世界観にすることで本作ならではの面白さが表現されています。
まず、本作には「不思議な存在」は存在しません。なので、力は「授けられるもの」ではなく、「自分で新しく作るもの」です。
実際、各会社のエンジニアたちが独自技術を次々に制作し、怪異に備えています。
これっていいですよね。よくわからない超常的な力を急に与えられるより、人の力で超常に対抗してる感があって。
そしてなりより、従来のように「人知れず戦う」のではなく、世間や会社のサポートを得て「堂々と戦う」のが一番違うところでしょう。
やはり、一目のあるところで戦うのとそうでないのでは読者の安心感が違います。
それに加え彼女らは「仕事」として戦っているため、労基法なんかも適用されていると思われるので、ブラックな展開になりがちな魔法少女ものですが、本作はそうはならず、クリーンなものになることが予想されます。
とはいえ、いつ「マミる」かも分かりませんが。(笑)
また、魔法少女といえば学生というのが暗黙の了解でしたが、今作では魔法少女として戦うのは、立派な成人です。
なので戦う覚悟もできておらず、判断力もないただ巻き込まれただけの学生が戦う従来とは違い、キチンと判断できる大人が望んでその道を選んだ、というのも大きな違いだと思います。
しかし、身を危険にさらすことには変わりなく、ここは従来の魔法少女ものを踏襲していると言えます。ですので、「基本安心、でも別の意味でハラハラする魔法少女もの」という新たなジャンルを確立したのが今作と言えるかもしれません。
魅力3:美学と効率、どちらが大事?
出典:株式会社マジルミエ
本作には「マジルミエ」と対をなす大企業として、「株式会社アスト」という会社が登場します。
この会社は「美学」を第一にするマジルミエとは真逆で「効率」や「利益」を第一としています。
この考え方は所属する魔法少女にも影響しており、マジルミエ所属のカナや越谷は「どれだけ時間がかかろうが効率が悪かろうが、極力周りに被害の出ない方法で倒す」ことを第一としているのに対し、アスト所属の土刃は「周りや自身への被害を度外視し、効率を最優先とする」ことを第一としています。
マジルミエのやり方は業界の新しい道を見つけるベンチャーにしかできないやり方ですし、アストのやり方は利益を出さなければならない大企業だからこそのやり方と言えます。
もちろん、どちらが正しいということはありません。
個人的には「利益」や「効率」を最優先にした方が会社の成長、という意味では正解だと思います。実際、マジルミエは零細企業ですし。
魔法少女が職業として成立している本作だからこそ起こり得る対立であり、実際の会社でも「美学」と「効率」のバランスが問題となっています。
「魔法少女もの」のマンガにこういった大人の事情を組み込むのは新しい取り組みであり、非常に面白いと思います。
さいごに
以上、いかがでしたでしょうか!
今回は『株式会社マジルミエ』の魅力・感想を紹介しました!!
とにかくダークになりがちな「魔法少女もの」。そんなジャンルで今のところ死者が出そうにない今作。
このままホワイトなまま進んでほしいと心から願っています。
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