※この記事はネタバレを含みます。ご注意ください。
みなさまは『シン・ウルトラマン』という映画をご存じでしょうか。
『シン・ウルトラマン』は『新世紀エヴァンゲリオン』を代表作とする庵野秀明を脚本、同じく『新世紀エヴァンゲリオン』、『シン・ゴジラ』等を代表作とする樋口真嗣を監督とする、SF特撮映画です。
そんな本作には、「禍威獣」という巨大なモンスターが多数登場しますが、どれも原作愛溢れる元ネタが存在します。
というわけで、今回は『シン・ウルトラマン』に登場する「禍威獣」の元ネタや倒し方を紹介します!!
- 1:ゴメス
- 2:マンモスフラワー
- 3:ぺギラ
- 4:ラルゲユウス
- 5:カイゲル
- 6:パゴス
- 7:ネロンガ
- 8:ウルトラマン
- 9:ガボラ
- 10:ザラブ
- 11:メフィラス
- 12:ゾーフィ
- 13:ゼットン
- さいごに
1:ゴメス
出典:ウルトラQ
初登場:『ウルトラQ』第一話 「ゴメスを倒せ!」
ゴメスの元ネタは『ウルトラマン』の前日譚かつ、ウルトラシリーズの第一作となった『ウルトラQ』に登場した「古代怪獣ゴメス」です。
「ゴメテウス」の学名を持つ巨大な原始哺乳類ですが、地底で冬眠状態になっていたところを工事の影響で目覚めてしまい、同時期に復活した「リトラ」と戦います。
弱点はリトラが吐き出す酸であり、『ウルトラQ』ではリトラと相打ちとなり、死亡しました。
『シン・ウルトラマン』では「巨大不明生物ゴメス」として登場するも、自衛隊の総攻撃を受け、駆除されました。
ゴメスの着ぐるみは「ゴジラ」の着ぐるみを使いまわしたものです。
そのオマージュとして、『シン・ウルトラマン』のゴメスは『シン・ゴジラ』の第四形態に酷似した姿をしています。
2:マンモスフラワー
出典:ウルトラQ
初登場:『ウルトラQ』第四話「マンモスフラワー」
マンモスフラワーの元ネタは『ウルトラQ』に登場した「巨大植物ジュラン」です。
地下で休眠状態にあった球根が環境変化により生命活動を再開してしまい、人の血を吸うトゲ付きの根や毒の鱗粉をもつ花弁を東京に出現させ、甚大な被害を与えました。
根の切断や火炎放射にもダメージを受けませんが、光合成に必要な二酸化炭素を固定する特殊なガスを散布することで駆除されました。
『シン・ウルトラマン』では「巨大不明生物第2号マンモスフラワー」として登場します。
東京駅前に出現して花粉をまき散らしていましたが、『ウルトラQ』のように、炭酸ガスと火炎放射によって駆除されました。
3:ぺギラ
出現:ウルトラQ
初登場:『ウルトラQ』第五話「東京氷河期」
ぺギラの元ネタは『ウルトラQ』に登場した「冷凍怪獣ぺギラ」です。
ペンギンが突然変異した姿で、マッハ80で飛行が可能なほか、マイナス130℃の反重力光線を吐くことが出来、東京に寒波による大被害をもたらしました。
南極のコケから抽出される「ぺギミンH」という物質が弱点で、この物質を積んだセスナ機の特攻により撃退され、東京から逃げ去りました。
『シン・ウルトラマン』では「巨大不明生物第3号ぺギラ」として登場。
『ウルトラQ』と同じく、東京に大寒波を起こして大きな被害をもたらしましたが、とある女性生物学者(おそらく、禍特対汎用生物学者・船縁由美)が弱点を発見し、駆除されています。
4:ラルゲユウス
出典:ウルトラQ
初登場:『ウルトラQ』第十二話「鳥を見た」
ラルゲユウスの元ネタは『ウルトラQ』に登場した「古代怪鳥ラルゲユウス」です。
第三氷河期以前に絶滅したと言われる肉食性の巨鳥で、現代にタイムスリップしてきました。
普段は文鳥の姿をしており小鳥のように小さいですが、空腹になると巨大化し、鋭いくちばしや巨大な翼で起こす風速40mの突風、マッハ1.5の速度で500時間飛び回るなどして暴れまわります。
『ウルトラQ』では多くの被害を出した後、南の空へ飛び立っていってしまいました。
『シン・ウルトラマン』では「敵性大型生物第4号飛翔禍威獣ラルゲユウス」として登場。
暴風を巻き起こし猛威を振るいましたが、駆除に失敗、『ウルトラQ』同様に取り逃がしてしまい、現在も消息不明となっています。
5:カイゲル
出典:ウルトラQ
初登場:『ウルトラQ』第二十四話「ゴーガの像」
カイゲルの元ネタとなったのは『ウルトラQ』に登場した「貝獣ゴーガ」です。
約6000年前にアランカ帝国に出現し、瞬く間に滅ぼしたと言われる伝説の怪獣で、「ゴーガの像」に封印されていましたが、像をレントゲン撮影する際の放射線の影響で復活し東京の街を破壊しました。
目から強力な溶解液を発射したり、貝殻の一部を高速回転させて地底に潜ることも可能で、この部分は発光し、水爆にも耐えられるほどの頑強さを誇ります。
「ゴーガは火の海と共に滅びる」という言い伝えに従い、苛性カリウム入りの火薬で両目をつぶし、地中に逃走。神田に現れたところを自衛隊・火炎放射隊の攻撃を受けて焼死しました。
『シン・ウルトラマン』では「敵性巨大生物第5号溶解禍威獣カイゲル」として登場。
蒲田に甚大な被害をもたらしましたが、禍特対と自衛隊の尽力により、撃退されました。
6:パゴス
出典:ウルトラQ
初登場:『ウルトラQ』第十八話「虹の卵」
パゴスの元ネタとなったのは『ウルトラQ』に登場した「地底怪獣パゴス」です。
新生代第三期の古代哺乳類の生き残りで、輸送中のウランを目当てに日本に出現し、原子力発電所のある新産業都市で暴れました。
基本四足歩行ですが興奮すると二足歩行となるのが特徴で、口から分子破壊光線を吐くことが出来ます。
上述したように新産業都市で暴れまわりますが、自衛隊のネオニュートロンミサイルを受け、全身が風化するように崩壊し、絶命しました。
『シン・ウルトラマン』では「敵性大型生物第6号放射性物質捕食禍威獣パゴラ」として登場。
「パゴス事案」と呼ばれるほどの多いな被害をもたらすも、自衛隊と禍特対の連携によって、全身を凍結され、『ウルトラQ』同様、体が崩れるようにして駆除されました。
7:ネロンガ
出典:ウルトラマン
初登場:『ウルトラマン』第三話「科特隊出撃せよ」
ネロンガの元ネタとなったのは『ウルトラマン』に登場する「透明怪獣ネロンガ」です。
江戸時代から生息していたとされる生物で、発電所のケーブルから電気エネルギーを吸収したことで、電気を餌にするようになり、怪獣となったものです。
普段は透明になっており、電気を吸収するときは姿を現す。また、後頭部の触覚二本と鼻先の角を合わせることで10万ボルトの電流を放つ「暴君雷撃」という技を使うことができます。
『ウルトラマン』では、ウルトラマンに角を折られた末に投げ飛ばされ、スペシウム光線を受けて爆死しました。
『シン・ウルトラマン』では「禍威獣第7号透明禍威獣ネロンガ」として登場。
禍特対と自衛隊の連携でもお手上げ状態となってしまったところ、地球にやってきたウルトラマンと交戦。山林に紛れて逃げようとしたところをスペシウム光線を受けて爆散しました。
ネロンガの電撃がウルトラマンに全く効かないシーンは有名ですね。
そのオマージュが『シン・ウルトラマン』でも表現されています。
8:ウルトラマン
出典:ウルトラマン
初登場:『ウルトラマン』第一話「ウルトラ作戦第一号」
ウルトラマンの元ネタとなったのは、みなさんご存じ『ウルトラマン』に登場したウルトラマンです。
M78星雲出身のウルトラ戦士であり、初めて地球にやってきたウルトラ戦士でもあります。
『シン・ウルトラマン』でも必殺技として使用されているスペシウム光線や、光の環っかを投げつける八つ裂き光輪を得意技とするほか、マッハ5で飛行したり、時速400㎞で走ったりすることもできます。
『シン・ウルトラマン』では「巨大人型生物ウルトラマン(仮称)」として登場。
上述したネロンガや、後述する様々な禍威獣、外星人と戦いますが、最後は自らを犠牲にして融合していた神永新二に命を分け与え、死亡しました。
9:ガボラ
出典:ウルトラマン
初登場:『ウルトラマン』第九話「電光石火作戦」
ガボラの元ネタとなったのは『ウルトラマン』に登場した「ウラン怪獣ガボラ」です。
どこからか突如出現した怪獣で、ウランを常食としています。
口から放射能熱線を放射することができ、食事中にも放射線を放出しています。
突如出現し、ウラン採掘上に向かっていたところ、ウルトラマンと戦闘になり、ヒレを引きちぎられたあげく、投げ飛ばされて倒されました。
『シン・ウルトラマン』では「禍威獣第8号地底禍威獣ガボラ」として登場。
スペシウム光線で倒してしまえば大量の放射能が放出されてしまうため、頭にパンチを受けて死亡。死体はウルトラマンによって大気圏外に持っていかれました。
10:ザラブ
出典:ウルトラマン
初登場:『ウルトラマン』第十八話「遊星から来た兄弟」
ザラブの元ネタとなったのは『ウルトラマン』に登場した「凶悪宇宙人ザラブ星人」です。
ザラブ星からやってきた宇宙人であり、「文明を滅ぼすこと」を目的として地球にやってきました。
怪音波や放射能の霧を体から発することが出来るほか、指からエネルギー弾を発射する、にせウルトラマンに変身するなど、多くの能力を持っています。
『ウルトラマン』では、にせウルトラマンに変身して市街地を破壊しますが、本物のウルトラマンが現れてしまい、スペシウム光線を受けて爆死しました。
『シン・ウルトラマン』では「外星人第2号ザラブ」として登場。
電気を操る力を用いて政府の信頼を得、逆にウルトラマンの信頼をなくすべく、にせウルトラマンに変身して市街地を破壊しますが、原作同様本物のウルトラマンに倒されました。
11:メフィラス
出典:ウルトラマン
初登場:『ウルトラマン』第三十三話「禁じられた言葉」
メフィラスの元ネタとなったのは、『ウルトラマン』に登場した「悪質宇宙人メフィラス星人」です。
メフィラス星から地球にやってきた宇宙人で、地球侵略を目的に地球に来ました。
IQ1万という桁外れの知能、ウルトラマンと同等以上に戦闘力、人類の巨大化、全身から反重力を放つなど、多くの能力を持っています。
『ウルトラマン』では、甘い言葉で、ある日本人の子供を誘惑し、地球を明け渡すよう頼みますが、それに失敗。その後ウルトラマンと戦闘になりますが、「宇宙人同士が戦っても仕方がない」と負けを認め、地球から去りました。
『シン・ウルトラマン』では「外星人第0号メフィラス」として登場。
日本人に対し甘い言葉で誘惑し、日本と条約を結ぶことで日本を手に入れようとしますが、ウルトラマンと交戦。ウルトラマンの弱点である長期戦に持ち込もうとしますが、地球にやってきていたゾーフィに気づき、原作同様決着することなく地球を後にしました。
12:ゾーフィ
出典:ウルトラマン
ゾーフィの元ネタとなったのは「宇宙人ゾーフィ」です。
そもそも、この「宇宙人ゾーフィ」というのは『ウルトラマン』に登場したウルトラ戦士の一人「ゾフィー」
出典:ウルトラマン
をある児童誌が間違えた情報を掲載して生まれたものです。
この誤報はかなり有名なもので、それを庵野監督が採用し、『シン・ウルトラマン』にて映像化されました。
なぜこのような誤報が生まれたのかというと、この児童誌が発売されたウルトラマン放送当時は、まだ情報を手に入れるのが困難な時代でした。しかし、『ウルトラマン』の人気さ故にこれらのような児童誌が我先にと本を出版しようとしていました。その結果生まれたのが、「宇宙人ゾーフィ」です。
『ウルトラマン』では、死んでしまったウルトラマンに新たな命を与えるために地球にやってきました。
『シン・ウルトラマン』では、「ゾーフィ」として登場。
地球人の兵器化による危険を考慮し、後述する兵器を使って地球を滅ぼそうとしますが、兵器を倒した地球人の英知と勇気に感銘を受け、地球人をこのままにして地球を去りました。
ちなみに、「宇宙人ゾーフィ」のデータや説明は「ゼットン星人」のものを間違えて掲載したものです。(なぜかゼットン星人より十キロ軽いですが。)
13:ゼットン
出典:ウルトラマン
ゼットンの元ネタとなったのは、『ウルトラマン』に登場した「宇宙恐竜ゼットン」です。
ウルトラマンの攻撃を寄せ付けないすさまじい戦闘力を持っており、一兆度の火球、八つ裂き光輪を粉砕するバリアー、といった様々な能力を持っており、実際、ウルトラマンを倒しています。
『ウルトラマン』ではウルトラマンを倒した後、人類が発明した新兵器「無重力弾」によって倒されました。
『シン・ウルトラマン』では「天体制圧用最終兵器ゼットン」として登場。
地球を滅ぼすべく、ゾーフィによって持ち込まれ、起動されますが、ウルトラマンと人類の協力により、並行宇宙に飛ばすことに成功。無事撃退に成功しました。
さいごに
以上、いかがでしたでしょうか!
今回はシン・ウルトラマン』に登場する「禍威獣」の元ネタや倒し方を紹介しました!!
これを知っているのと、そうでないのでは『シン・ウルトラマン』の楽しみ方が大きく変わるかと思います。
ぜひ、こういった元ネタを知ってから二回目の『シン・ウルトラマン』をご覧ください!!
では!!