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『モービウス』をネタバレレビュー!!MCUとの繋がりは?

※この記事は重大なネタバレを含みます。

 ご覧になる際はご注意ください。

 

みなさまは『モービウス』という映画をご存知でしょうか。

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© 2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

『モービウス』はマーベルコミックに登場する、同名キャラクターを主役としたホラーアクション映画です。

この映画は『ヴェノム』、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』に続くSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の第三作であり、上記二作と世界観を共有している作品です。

 

今回はそんな『モービウス』の結末や感想をお伝えします!!

 

 

ストーリー(ネタバレ注意!!)

舞台はコスタリカ

マイケル・モービウスは自身の病を治す血清を作るために吸血コウモリを捕獲しに来ていました。

時は遡り、25年前。

ある病に罹っていたモービウスは、小児科に入院していました。そんなとき、同じ病で苦しむマイロと出会います。

そして、仲良くなった二人ですが、ひょんなことからモービウスには医学の才能があることが発覚し、ニューヨークの学校へ行くことになるのでした。

時は戻り、モービウスはこの血清の危険性から、元のラボから貨物船にラボを移し、日夜実験を繰り返していました。

彼は富豪となったマイロの融資と同僚の医師マルティーの手を借り、捕獲したコウモリから自身とマイロの病気を治す血清を作り出すことに成功。早速自身の体に血清を打ち込みます。

計画通り、モービウスの病気は治りますが、その代わり肉体は豹変し、強大な身体能力と吸血衝動を有する吸血鬼へと変貌してしまいます。初の変身の反動で理性を失ったモービウスは本能のまま行動。その場にいた傭兵八人を瞬く間に殺害し、マルティーヌを傷つけてしまうのでした。

理性を取り戻したモービウスは監視カメラの映像から自分が何をしたのかを知り、救難信号を送ってから海に飛び込むのでした。

 

元のラボに戻ったモービウスは自身の体に起こった変化を調査していました。

その結果、驚異的な身体能力とコウモリのレーダー能力(バッドレーダー)を手に入れたこと、六時間おきに人工血液か本物の血を飲まなければ理性を失い、暴走してしまうこと、今は人工血液で事足りるが、効果が日に日に薄れていることが発覚します。

そんな彼の元をマイロが訪れます。

以前とは似ても似つかないモービウスの健康的な姿を見た彼は「自分にも血清を打ってくれ。」と懇願。ですが、モービウスは「マイロを自分と同じ目に合わせるわけにはいかない。」と彼を追い返すのでした。

そして、モービウスはありったけの人工血液と本物の血液を持ってラボを後にしようとします。

ですが、そんな彼の元に貨物船での事件を調べる捜査官二人がやってきます。軽い尋問の末、モービウスに手錠がかけられるのでした。

そうして、拘置所に送られたモービウスの元に弁護士バッチを偽装したマイクが弁護士として面会に来ます。

軽く話をし、血液パックを置いてその場を去ったマイロですが、杖なしでは歩けないはずの彼はモービウスの部屋に杖を置いてその場を後にします。

マイロの杖を見つけたモービウスはマイロが血清を打ち、吸血鬼となったことを知り、彼を止めるために脱獄するのでした。

 

マイロを発見したモービウス。

彼は既に何人か自分の意思で人を殺していたことを暴露。

モービウスはそれに衝撃を受け、彼を説得しようと試みます。ですが、マイロは聞く耳を持たず、説得の最中にも通報を受けてきた警備員を複数人殺害し、モービウスをはるかに上回る実力を見せたマイロに、モービウスは逃走を余儀なくされるのでした。

目を覚まし、退院したマルティーヌと合流したモービウス。

彼女に自身の体とマイロのことを話し、マルティーヌに「ラボから研究データを取ってきてほしい。」と依頼。

一方、モービウスはちょうど良い地下室を見つけ、新しいラボとするのでした。

モービウスのラボにやってきたマルティーヌは、モービウスを探すマイロと出会います。

彼女は「モービウスの場所は知らない」と嘘をつくも、マイロは彼女の心臓の鼓動から、彼女がモービウスの居場所を知っていることを悟ります。ですが、一度その場を後にするのでした。

その後、モービウスはマルティーヌが持ってきたデータからコウモリの血清を無効化し、殺す血清を作成するのでした。

 

一方、マイロは強靭となった体で健康的な生活や快楽に身を任せた殺害を続け、死の恐怖のない自由な生活を謳歌していました。

そしてモービウスを呼び寄せるため、自分たちの主治医であり、命の恩人であるニコラスを殺害。さらに、マルティーヌを瀕死に追い込みます。

コウモリの聴覚により、マルティーヌの悲鳴を聞いたモービウスは全速で彼女の元に向かいます。

ですが、時すでに遅く、彼女は既に虫の息。そして、彼女の頼みでモービウスは彼女の血を飲み干し、殺します

その様子をそばから見ていたマイロ。そして、本物の血を飲み、ベストコンディションとなったモービウスに襲い掛かります。

モービウスよりも多くの本物の血を吸ったため、彼を凌駕する力を持つマイロにモービウスは劣勢を強いられてしまいます。

ですが、超音波を発することで捕まえた吸血コウモリを呼び寄せます。そしてマイロの動きを止めさせ、彼に例の血清を打ち込み、マイロを殺すのでした。

そして、悲しみに暮れるモービウスは、通報を受けた警官たちがやってきたため、コウモリに紛れてその場を去ります。

一方、死亡したはずのマルティーヌはモービウスの血を取り込んだことから、吸血鬼として目を覚ますのでした。

 

ミッドクレジットシーン

場面は変わり、『スパイダーマン:ノーウェイホーム』にて、マルチバースの境界がなくなりかけたときに。

この時、MCUアベンジャーズがいる世界)から『スパイダーマン:ホームカミング』のメインヴィランであるヴァルチャー/エイドリアン・トゥームスがこの世界にやってきていました。

 

エンドクレジットシーン

深夜に車を走らせるモービウス。

そんな彼の元にMCU時と同じ装備をしたヴァルチャーが接触します。そして、スパイダーマンを倒すために手を組もう」と提案し、モービウスはそれに賛同するのでした。

 

 

登場人物

マイケル・モービウス

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© 2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

自身の病気を治すべく、コウモリから作った血清を打った結果、驚異的な身体能力・聴力と吸血衝動を持つ吸血鬼となってしまった天才医師

ノーベル賞を受賞するほど優秀だが、それを辞退するほどひねくれた性格をしている

 

マイロ

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© 2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

モービウスの融資者であり、彼と同じ病に苦しむ青年で、血清を打ち、吸血鬼となる

モービウスとは違い、吸血鬼の体を謳歌しており、血を吸うためなら平気で人を殺す

 

マルティーヌ・バンクロフト

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© 2022 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.

モービウスの実験に協力する女医

罪の意識と吸血衝動にさいなまれるモービウスの心の支えとなっていく

 

 

感想

いや~~~、面白かった!!

約二時間ある上映時間が一瞬に感じてしまう程見入ってしまう、完成度の高い映画だと感じました。

特に、CGです。

この映画はとにかくCGが細かいです。

というのも、モービウスやマイロが吸血鬼の姿となっているとき、彼らの全身が黒いもやに覆われている、という演出があります。このもやが、彼らの不気味さに拍車をかけていると感じます。

また、戦闘シーンでは、モービウスとマイロがぶつかったときに衝撃波を生じさせたり、スローモーションを使用することで彼らの常人離れしたパワー、スピードを表現しており、マーベルやソニーはCGのレベルが高い(主観)のですが、その技術を遺憾なく発揮した映画だと思います。

スローモーションについては賛否両論あるようですが、僕は好きでした。

加えて、ジャレッド・レトがモービウス役にはまり役すぎたのも印象に残りました。

詳しくは後述しますが、正直、主演が彼じゃなければこの映画の成功はなかったんじゃないかと思う程の好演でした。

ですが、悪い点もあるように思いました。

それは、シナリオが『ヴェノム』と大して変わらないことです。

『ヴェノム』も最初は主人公が自身の置かれた状況に戸惑い、苦しむも、最後は自身と同じ力を持つ敵を倒すダークヒーローとなるのですが、完全に今作とシナリオが丸かぶりです。

正直、もはやエディとヴェノムの漫才のない『ヴェノム』といっても過言ではなく、個人的には、もう少しシナリオにメリハリをつけてほしかったな、と感じました。

モービウスもヴェノムもヴィランだし、持ちネタの少ないソニーが次々キャラを増やすわけにもいかないのでどうしても似たような脚本になってしまうのは分かりますが……。

ですので、同じく敵役を主役にした『ジョーカー』のようなものを想像していくとかなり期待外れだと思います。

あくまでジャレッド・レトの演技とソニーのCG技術を楽しむ映画だと思っていればいいのかな、と思います。

以上が、僕の『モービウス』の感想となります。

 

 

注目ポイント

ここでは、今後『モービウス』をご覧になるにあたって注目していただきたいポイントを紹介します。

 

ポイント1:ジャレッド・レトとマット・スミスの怪演

ジャレッド・レトについては軽く上述しましたが、ここではそれをもう少し深堀りすると同時に、マイロ役のマット・スミスについてもお話しします。

モービウスとマイロは二人とも病弱な人物であったため、吸血鬼となる前はげっそりとした頬に、ガリガリの体をしていました。

ですが、吸血鬼となってからは健康的で活気に満ち溢れた体となっており、キャプテンアメリカクリス・エヴァンスを思わせる肉体改造ジャレッド・レトとマット・スミス二人は成し遂げているのです。

二人の作品へのストイックさが垣間見えますね!

また、上述しましたが、ジャレッド・レトがモービウスにはまり役すぎます

彼の演技は我々観客にスクリーンから目を話すことを許してくれず、どんどん引き込まれて行ってしまうほど魅力的です。彼の醸し出す悲しげで恐ろしげな雰囲気がモービウスの「命を救う医者」と「命を奪う吸血鬼」の間で揺れる葛藤をそっくりそのまま映し出しており、本当にかっこよかったです。

加えて、マイロ役マット・スミスも非常にはまり役でした。

彼は悪人面をしているため、マイロの様な自分の欲望に正直な敵役にばっちりです。

僕はマイロが踊りながら身支度をしているシーンがめっちゃ好きです。サム・ライミ版『スパイダーマン3』のダンスみたいでおもしろかった。ときどき吸血鬼の顔になるのもグッド。

なので、ぜひ二人の演技に注目して映画を見ていただきたいです。二人の演技に魅入られるはずです。

 

ポイント2:二人の吸血鬼の対比

ストーリーのところで紹介したように、この映画にはモービウスとマイロという二人の吸血鬼が登場します。

ですが、彼らは考え方は真逆ですが、モービウスは「マイロに罪を犯させたくない」、マイロは「モービウスにモービウス自身を認めさせたい」というお互いを救いたい一心で二人は戦っています。

ダークヒーローとしていばらの道を行こうとするモービウスと、もう十分に苦しんだのだからこの体を自由に使いヴィランとして生きようとするマイロ。

絶対に分かり合えない二人の対比が非常に悲しげで、SSU特有のダークな世界観をより表現しているように感じます。

元々親友だった二人が決別し、殺し合う。サム・ライミ版『スパイダーマン3』のピーター/スパイダーマンとハリー/グリーンゴブリンを彷彿とさせますね。

 

 

さいごに

以上、いかがでしたでしょうか!

今回は『モービウス』の結末や感想をご紹介しました!!

 

「エンドクレジットが唐突すぎる」という指摘が多くありますが、この深堀りが次回作であると思いますので、MCUとどのようにクロスオーバーしていくのか、非常に楽しみですね!

 

このブログでは、マンガや映画のネタバレ、考察を主に行っています。ぜひ、別の記事もご覧ください!

では!