※この記事は重大なネタバレを含みます。ご覧になる際はご注意ください。
みなさまは『スパイダーマン』という映画をご存じでしょうか。
© 2021 Sony Pictures Digital Productions Inc.
『スパイダーマン』はマーベルコミックに登場する、同名キャラクターを主役としたSFアクション映画です。
今回はそんな『スパイダーマン』のシリーズ第三作『スパイダーマン:ノーウェイホーム』をネタバレ紹介します!!
ストーリー(ネタバレ注意!!)
起
時は前作「ファーフロムホーム」の直後。前作のヴィラン、エンポリオは全世界に「(正義の味方の)自分を殺したのはスパイダーマンだ。そして、その正体はピーター・パーカーだ」という言葉と共に、彼の顔写真を全世界に公開しました。
そして、彼は世界中から糾弾されることになってしまいます。
一連の騒動がMJやネッドにも飛び火し、ピーターもろとも第一志望の大学に落ちてしまいます。
それに罪悪感を感じたピーターはドクター・ストレンジ/スティーブン・ストレンジに「スパイダーマンの正体を人々の記憶から消去できないか」と相談に。
ストレンジは初めは断るも、ある魔法を思いつきます。それは「ピーター以外の全員から彼がスパイダーマンであるという記憶を消去する」というものでした。
慌てたピーターは魔法の最中に次々に注文を追加し、それによって魔法が失敗してしまいます。
なんとかその場を収めたストレンジは、ピーターに記憶を消そうとした理由を尋ね、ピーターが大学に直談判しなかったことを責めます。
そんなこと思いもしなかったピーターはすぐに関係者に連絡を取り、話をしに行くことにするのでした。
承
高速道路で大学の担当者に追いついたピーター。そこで話をしようとしますが、その時、ドクター・オクトパス/オットー・オクタヴィアスが襲い掛かってきます。
激闘の末、彼のアームの無力化に成功。
ですが、同時にドクター・オクトパスは目の前のスパイダーマンが自身の知るピーターパーカーではないことに困惑します。
その時、グリーン・ゴブリン/ノーマン・オズボーンによる爆撃が彼らを襲うも、ストレンジのゲートによってストレンジの家の地下室にワープします。
そこには、彼の魔法で檻に閉じ込められたドクター・オクトパスとリザード/カート・コナーズが。
ストレンジによると、先の魔法によってマルチバースが開き、「ピーター・パーカーがスパイダーマンであること」を知っている別の世界の人物が集まってきている、とのことでした。
なので、ピーターたちは、この世界にやってきたヴィランをここに集め、元の世界に送り返すことにします。
グリーン・ゴブリンの目撃情報をもとに森へやってきたピーター。ですが、そこにいたのはエレクトロ/マックス・ディロン。彼を偶然その場にいたサンドマン/フリント・マルコの協力で(サンドマンと共に)ストレンジの地下室に送ることに成功します。
そして、肝心のグリーン・ゴブリンはメイおばさんの働く支援施設で発見され、抵抗せずにストレンジの地下室に連れて行かれるのでした。
転
ヴィランを全員見つけたピーター達。
一方、ストレンジは彼らを元の世界に返すための装置を完成させており、早速彼らを送り返そうとします。
ですが、彼等が元の世界に返ったら死んでしまうことを知ったピーターは、「ここで治療してヴィランにならないようにする」と提案。当然、ストレンジは反対し、ピーターは彼から装置を奪おうとします。そうして、彼らは戦うことになりますが、ピーターはストレンジをミラーディメンション(ストレンジが作った魔法の空間)に閉じ込め、装置とスリング・リング(魔法を使うための指輪)を奪い取ることに成功。
そして、ピーターはそれらをMJとネッドに預け、ヴィランたちの治療に取り掛かるのでした。
ハッピーの家にやってきたピーターとヴィランたち。
ピーターはノーマンの協力のもと、次々と彼らの治療薬を開発していきます。
ですが、ノーマンに潜んでいたグリーン・ゴブリンの人格が反旗を翻し、それを皮切りにヴィランたちが次々に反撃。
マンションの一階で再開したピーターとメイおばさんでしたが、彼女は後悔を口にするピーターに「大いなる力には大いなる責任が伴う」と諭します。
ですが、グリーン・ゴブリンの爆撃によって彼女は死亡してしまうのでした。
結
警察に捕まる前にそこから逃げ出したピーター。一方、MJとネッドはネッドの家で彼の帰りを待っていました。
その時、ネッドが「ピーターに会いたい」と言葉を漏らすとリングが反応し、ゲートが開きます。
その向こうにいたのは別世界のスパイダーマン/ピーター・パーカー(演:アンドリュー・ガーフィールド)でした。
もう一度やればピーターに会えるかもしれない、と思ったネッドは再度ゲートを開きますが、そこにいたのはまたもや別世界のスパイダーマン/ピーター・パーカー(演:トミー・マグワイア)でした。
その後、MJがピーターの居場所を突き止め、学校の屋上へ向かいます。
ピーターはメイおばさんを亡くしたことに打ちのめされていました。そして、グリーン・ゴブリンへの復讐心を抱くも二人のスパイダーマンに諭され、彼らの治療をすることにするのでした。
彼らは協力してヴィランたちの治療薬を作り、魔術の装置で自由の女神におびき寄せることに成功。
激闘の最中、次々に治療していくスパイダーマンたち。そんなとき、ネッドが開いたゲートからストレンジが帰還。ですが、彼はネッドとMJから説明を受け、戦いを見守ることにしました。
そして、治療が完了し元の世界に戻そうとするも、その時、グリーン・ゴブリンが現れ、装置を破壊してしまいます。
その結果、魔法が暴走し、マルチバースの境界が崩壊しかけます。
一方、ピーターはグリーン・ゴブリンを殺そうとしていました。ですが、他のスパイダーマンたちによって止められ、治療に成功するのでした。
その頃、ストレンジは世界の崩壊を防ごうとしますが、マルチバースから「スパイダーマンがピーター・パーカーだと知る存在」が次々に姿を現し始めていました。そこで、ピーターは再度、「自分についての記憶を人々から消す」ことを提案します。(マルチバースから来るのは、ピーター・パーカーの存在そのものに引き寄せられている者であるため、自分が消えれば解決するからです。)
ですが、これは「ピーターの存在がこの世界から消える」ことを意味しており、発動してしまえば、彼に関わる記憶がすべて消える、ということでした。
彼の覚悟を聞いたストレンジはその魔法を発動させ、マルチバースの扉を閉じ、ヴィランやスパイダーマンたちを元の世界に送り返すのでした。
後日、ピーターはMJの働くコーヒーショップに行き、彼女に事情を解説しようとしますが、幸せそうな彼らを見て、コーヒーを買っただけでその場を後に。
そして、メイおばさんの墓でハッピーと言葉を交わし、前に進むことを誓うのでした。
ミッドクレジットシーン
『ヴェノム:レットゼアビーカーネイジ』のポストクレジットでMCUの世界に飛ばされた、エディ/ヴェノム。
彼らはバーテンダーから話を聞き、スパイダーマンに会いに行くことに。ですが、ストレンジの魔法で元の世界に戻ることになります。
二人が去ったカウンターには、シンビオートの欠片がうごめいているのでした。
登場人物
ピーター・パーカー/スパイダーマン
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遺伝子操作された蜘蛛に嚙まれたことで、超人的な力を手に入れた高校生
若さゆえの未熟さがあるが、ヒーローとしての責務を全うしようとする真面目な人物
MJ(本名:ミシェル・ジョーンズ・ワトソン)
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ピーター恋人で、同級生の少女
ひょんなことから、ピーターの正体を知り、彼に協力することに
ネッド・リーズ
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ピーターの通う高校のクラスメイトであり、彼の親友
ひょんなことから、スパイダーマンの正体を知ったため、彼の協力者となる
メイ・パーカー
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ピーターのおばであり、彼の保護者
ヴィランも恐れない勇気と困っている人を見捨てない優しさを持っている
スティーブン・ストレンジ/ドクター・ストレンジ
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交通事故で手の自由を失い、手を治そうと魔術師に弟子入りし、魔術の力を手に入れた元天才外科医
少し傲慢だが、心優しい人物で、ピーターに同情し彼の頼みを聞くことに
感想
※便宜上、トム・ホランド演じるスパイダーマンを「トムスパイダー」、トミー・マグワイア演じるスパイダーマンを「トミースパイダー」、アンドリュー・ガーフィールド演じるスパイダーマンを「アンドリュースパイダー」と略します。
まず、なぜこんなに三人のスパイダーマンが一堂に会したのが騒がれているのか、軽くご説明します。
スパイダーマンやそれに関係するヴィランの権利は現在、ソニーが有しています。加えて、ソニーとマーベルは仲が悪いので、なおさらとんでもないことが起こった、というわけです。
スパイダーマンがMCU(アベンジャーズがいる世界)から脱退の危機に瀕した時はトム・ホランドが両社のお偉いさんに頭を下げて回ったそうです。
さて、前置きが長くなりましたが、ここからは本題の僕の感想をお話します。
はあ~~、とんでもない映画でした!!さすが、マーベル!さすが、ソニー!
全マーベルファン、全スパイダーマンファンが一度は夢見た、実写化スパイダーマン三人の共演を本当に実現させてくれるとは、夢にも思っていませんでした。(噂はされていましたが、僕は全く信じていませんでした。噂は噂だもん!)
上述の件もあり、過去のスパイダーマンが次々に登場した時は、思わず背筋が伸びましたし、声を上げそうになってしまいました。
ですが、あえて悪かった点を二つ先にお話させていただこうと思います。
まずは、初見さんに厳しすぎる点。
シリーズ作品なので、今までの映画を見ていた方が分かりやすいのは当然なのですが、今回は特にそうだと思います。
これまでのMCUの映画は、ある程度初見さんでも楽しめる作品が多かったです。これは、引継ぎ要素がそこまで大きくなく、知っていても知らなくても物語の本筋に影響が少ないからです。
ですが、今回は今までのスパイダーマンとそれに登場したヴィランが全員集合したことや、ポストクレジットのヴェノム、ドクターストレンジの能力など、これまで映画を知らないと、本質的に面白いと感じることができない要素が多すぎます。
今までのスパイダーマンが出てきたところで、知らない人からすると、「このおじさん誰?」ってなるだけですもん。
以上、初見さんお断りの点、が悪かった点一つ目です。
もう一つは脚本が無理矢理すぎる点です。
この映画は「ピーターがストレンジに魔法を依頼して、彼がそれをを失敗し、マルチバースの扉が開いた」ことで戦いが始まります。
ですが、ピーターが依頼したのは、「この世界から自分の正体を知るものを消してほしい」というもので、ストレンジもそれに準じた魔法を使用しています。
なので、どこにもマルチバースの要素がないのです。
たとえ魔法が失敗しても、何がマルチバースに関係していたのかさっぱりです。
強いて言うなら、ストレンジの魔法そのものが「スパイダーマンの正体を誰も知らない」という新たな現実(マルチバース)を作る行為だったからでしょうか。
これが、悪かった点二つ目です。
では、ここから良かった点をお話します。
まずはやっぱり、スパイダーマンかっけえ~~!です。
スパイダーマン特有の戦いのスタイリッシュさ、スピーディーさ。これこれぇ!と言いたくなります。
特にストレンジ戦。
僕はストレンジも大好きなのですが、そんな二人のヒーローが正面衝突するのですから、心躍らないわけがありません。
ストレンジの超常的な魔法とスパイダーマンの超人的身体能力の戦い。
そして、この戦いに決着を着けたピーターの「魔法よりすごいもの知ってる?数学だよ!」という言葉。
やはり、アイアンマンの弟子で、科学者気質なんだな、としみじみと感じました。
それと、三人のスパイダーマンの共闘。
今までのスパイダーマンの集大成そのもので、めちゃくちゃテンションが上がりました。
この戦いで、トミースパイダーとアンドリュースパイダーは自身が過去に失ったものを(トムスパイダーに置き換えてですが)守ることができます。トミースパイダーにとっては親友、アンドリュースパイダーにとっては恋人。そんな二人の成長を見ることができるのも、非常に感慨深いものがありました。
これにテンション上がらない人いない。ずるい。
全員がスパイダーマンであるが故の悩みの共有、興味の共有など、三人のスパイダーマンにしかできない掛け合いがめちゃくちゃおもしろかったです。
以上が、僕のこの映画を見た感想です。
悪かった点が目立ってるけど、めちゃくちゃ面白かったし、めちゃくちゃ泣けるから!
勘違いしないでね!
注目ポイント
ここでは、今後『スパイダーマン:ノーウェイホーム』をご覧になるにあたって注目していただきたいところをピックアップしてご紹介します。
ポイント1:小ネタやオマージュの多さ
この映画には、驚くほど多くの小ネタやオマージュが登場します。
有名なものだと、トミースパイダーが腰を痛めている、という場面。これは、トミー・マグワイア主演のスパイダーマンシリーズが打ち切りになった理由である、「トミー・マグワイアが腰を痛めたから」という小ネタに由来しています。
また、「(スパイダーマンは)黒人かと思ってた」と漏らすエレクトロに、アンドリュースパイダーが「黒人のスパイダーマンもいるかもしれない」と答えるシーン。これは『スパイダーバース』の主人公であり、ファンからも実写化が期待されている別世界のスパイダーマン、マイルス・モラレスのことを指していると思われます。
さらに、グリーンゴブリンが自分のスーツを路地裏のごみ箱に捨てる場面も有名ですね。これは、『スパイダーマン2』にてトミースパイダーが「二度とスパイダーマンにはならない」とスーツを捨てたシーンのオマージュです。
このように、『スパイダーマン:ノーウェイホーム』には、探せば探すだけ、たくさんの小ネタやオマージュが登場します。
ここでは、僕が映画を見ていて気付いた小ネタやオマージュを紹介しました。今後、この映画をご覧になる際はぜひ、小ネタやオマージュに注目して見てみてください。
ポイント2:スパイダーマンたちの成長を感じ取れる
上述しましたが、この映画は文字通りスパイダーマンシリーズの集大成となっています。ですから、前シリーズ、前々シリーズの内容の補完とも取れる描写がいくつか存在します。
例えば、アンドリュースパイダーがMJを救ったシーン。ここは、『アメイジングスパイダーマン2』にて、自分の恋人であるグウェンを救えなかった彼が、今度は助けることができた、という感動的なシーンで、アンドリュースパイダーの成長を垣間見れるシーンでもあります。
僕は泣きました。
また、戦いが一段落し、トミースパイダーとドクターオクトパスが話すシーン。ここは、『スパイダーマン2』では成しえなかった二人が心から分かち合うシーンであり、こちらもまた前々シリーズを知っている者からすると非常に感動的なシーンです。
もちろん、過去のスパイダーマンたちだけではありません。
物語の最後で、トムスパイダーは新しいスーツを着て街へ繰り出します。このスーツは文字通りのお手製であり、今までのようにトニー(アイアンマン)や彼の力を借りて作ったスーツではありません。自分の力だけで作ったスーツを着ることで、彼の独り立ちを表しているのです。
このように、シリーズ最終作にふさわしい演出が多々なされているのもこの映画の魅力だと僕は思います。
さいごに
以上、いかがでしたでしょうか!
今回は『スパイダーマン:ノーウェイホーム』をネタバレ紹介しました!!
今回の映画は、過去のスパイダーマンたちの登場はもちろん、チャーリー・コックス演じるデアデビルのカメオ出演や、シンビオートのMCU参入が仄めかされるなど、MCUの可能性が大きく広がるものとなりました!
マルチバースの存在がはっきりしたことで、もしかするとX-MENとの合流もある、、、かも?
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